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Column

05 オフィス空間

   米国ワールドトレードセンターを始め、二十世紀建築はオフィスビルの時代であった。しかし、今や日本の地方都市においてもオフィスビルの総床面積は余剰気味で空室が目立つ。建築家石山修武氏は「建設業界は今自信と希望を失いかけている。建築の保存や再生は大きなビジネスにならぬと思い込んでいるからだ。」と語っている。視点を変えれば旧来のオフィス群再生、住空間への再利用など都心の利便性をビジネスに繋げるチャンス到来ということだ。 

 
正月休みを返上して、川崎駅前の矯正歯科クリニック改装設計をした。日本で二台目の設置となる頭部立体撮影CTスキャン導入に伴うオフィス改装であった。週一回の休診日以外、診療を続けながらの工事だったが騒音、埃も何のその、患者さん臨床医の先生方スタッフの皆さんも良く耐えた。これは院長根津先生から、機械導入の意義が良く伝えられた事が大きい。根津先生は日本でも屈指の矯正歯科専門医で又俳優根津甚八の実兄である

 改装の結果一転して柔らかな癒し的空間に変わり、就業の場としてはどうかと一抹の不安はあったが「室内が落ち着き作業性高いです。」とのご報告があり、オフィス空間の概念変化を実感している。首都圏オフィスの最前線では旧来島型オフィスに変わって、固定席のないフリーアドレス採用の会社が急増している。オフィススペースの有効活用、社員の生産性向上を狙う新しい形のオフィス空間である。 理念明快な企業は、来訪者へのもてなしも良く、何故か我が原風景である「守礼門」のイメージと重なる。守礼の門から円艦池縁に沿い、そのまま龍潭までを…。オフィス空間の中で再現してみたくなる。

(菅原 律子/菅原律子設計事務所代表)


2002/03/30(琉球新報掲載分)

 

 
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