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07 ミラノ イル・サローネ

 

 41年前、イタリア家具育成の為開催されたイル・サローネだが、その技術、デザイン性の高さで瞬時に国際的な家具見本市となった。トップ水準の展示は家具、キッチン、インテリア傾向など影響力は世界中に及び、東京ドーム延七棟分の建物間を、真剣表情のビジネスマンがシャトルバスで行き交う。見本市の水準は予想以上だったが、中でも九番パビリオンは新鮮だった。「試み」の為の展示会場で、出展者は厳しい審査をパスした才能溢れる人達ばかりだが、バルセロナ在住の若き日本人デザイナーがいて嬉しかった。

 会期中、トランクを引いて歩く不思議な光景を多く見かけたが、山程持ち帰ったカタログから発注決定する訳で、選択がビジネスを左右する。ちなみに、カタログ請求はこちらのメールアドレスと引き換えで、新商品の確認は当社URLでどうぞ。という企業が多かった。折角だから、北部コモ湖周辺の家具製作工場まで足を伸ばした。

 メリタリア社はイタリア屈指の家具メーカーだが、実は社長ジョリオ・メローニ氏は、ライバルB&B社で28年間、発展に貢献した人物だ。モダン家具で世界トップに立つB&B社に対して、かたやメリタリア社はイタリア伝統工芸を生かした家具を作り起業15年で年商100億ユーロの成長企業だ。工場内に古代から近代に至るイスのモデル博物館があり、製作はコンピューターと、職人の手をうまく組み合わせて作っていく。イタリアは元気だった。

 持ち味異なる二社を成功に導いたジョリオ社長もそうだが、ミラノ市内の店舗でも、各社独自のものを展開していて活気があり眩しかった。東京に戻り、何とかあのミラノの活気に学べないか、考える日々である。 

(菅原 律子/菅原律子設計事務所代表)


2002/05/18(琉球新報掲載分)

 
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