Top はじめまして   Profile  Works  Column  設計の進め方、設計料について   お客様の声  Press Release
 よくあるご質問   Link  Blog  itiS  事務所案内 お問い合わせ  
 〒104-0033 東京都中央区新川1-21-1 茅場町タワー#1809 tel/03-6222-8525  fax/03-6222-8526
 Works   都市に住む3世代の家 東京都港区 O 邸   この設計のテーマ・お客様からのご要望・設計データへ 
 
     
     
     
   
     
   
     
   
     
     
                            
   
二面道路の台形変形角地で敷地の道路面と奥とで高低差があり、道路面からの斜線規制が厳しい条件としてあった。また、右側坂道が六本木主要道路のショートカットになっていて交通量が多くこの方角に庭など空地がとりにくいのも設計まとめに障害となった。前面道路を六本木方面から向かってくると角が大変目立つので新たに桜を植樹、2階のテラスをせり出させる形で、浮遊感を出した。
  前面道路から南側立面を見る。RCうち放しの外観を窓の形状やレイアウトなどで親しみ易さを出し、ウッドデッキ材で温かみを加えた。ウッドデッキ材の室内側はオープンテラスになっており、居間、ダイニング、3階の個室からも眺めることができ、身近にある庭のような存在である。また玄関側はウッドデッキが途中までとなっていて、果樹など、植栽が玄関アプローチに延びるように緑を提供している。
シンボルツリーの桜と玄関廻りの植栽、テラスからの緑で、季節感が溢れる玄関先となっている。
 
   
玄関ホールへは、正面玄関からと、車庫からシューズクロゼットを通って、合流する事ができる。玄関ホール内の階段は常に美しい形をしていて欲しい。その家の印象を一番に決定づけるものであるし、日々の家の中の視界の美しさを左右しかねない。2階、3階の居室と違って、あえてRCうち放しの壁面を現しにし、ポイントとして木の美しさを出すようなインテリア計画とした。壁から突き出た家具はこの土地に60年育っていた欅を挽いて家具として残した。玄関廻りの小物収納、また、テーブルスタンドなどを置くコンソールとして利用する。
  玄関ホールへから、エレベータ前の廊下をみる。ここもRCうち放しの壁面にできるだけ木の温かみを残したくて、オブジェを壁に配置した。このオブジェは土地に60年育っていた桜の木だが、欅の木と違い、木の内部の痛みが多く、家具の材料としては活用ができないところが多かった。
しかし、挽いてみるとりっぱなものなので、このような割った面にアク止めをして壁面を飾る事にした。”この家が建つ前、この土地にかつて60年も立っていた桜”という事で語り継がれる。
廊下正面の収納兼ライトボックスは、右扉が来客用のコート、荷物などを収納。左扉がクリーナー、上部に分電盤などが格納されている。
 
  リビングの位置関係は、1階の子世帯と3階の親世帯、祖母世帯との中間2階にある。またエレベーターホールや1階の玄関ホール階段を上った位置にある。キッチンやダイニングからは回り込めて皆が自然に顔を合わせらような位置にある。

南側のオープンテラスに向かって縦長のリビングだが、中央付近は暖炉を楽しみながら、TV鑑賞など。オープンドア付近はテラスに近く、
半戸外的な使い方で。逆に手前北側は階下の池を眺めながらパーソナルチェアが配置できる。という3つの使い分けができる計画とした。

珪藻土の塗り壁に暖炉の石は「
琉球石灰岩」を沖縄県から取り寄せて使用した。床のカリン材フローリングは床暖房にも対応した無垢材を使用している。収納家具は全て設計、造作したものだが特にコーヒーテーブルは土地にあった桜の木を寄せ木にして作成した。「あまり物を置かずシンプルに暮らしたい」 という建て主のご要望を受けて「建築化照明」「収納家具+照明 BOX」というシンプルなインテリアとなるように計画をした。
 
リビングのテラスを背にして北側渡り廊下と水廻り棟にある2階、和室を見る。
エレベータから降り、ガラス框戸を開けてリビングにはいる。エレベータ後ろの階段を上りきると右が和室で左がリビングに続く。リビングはどこからの導線でも通過点であり、家族のロビ的な役割も果たします。

西麻布という都心の家だが、薪を燃やす暖炉を設置した。暖炉回りを建て主のご希望で
琉球石灰岩張りとしたが、見慣れた穴の多い石灰岩に穴埋めをして磨きをかけると大理石と間違えるほどの石である。ナチュラルな色合いで温かいベージュ色がインテリアを柔らかい感じにする。

渡り廊下で行く和室は障子や渡り廊下入り口の引戸を開け放すと視覚的にリビングと一体の空間となる。渡り廊下の手前にパーソナルチェアを置いて下を眺めると1階子世帯、個室の間にある「浅い池」が見える。
 
   
リビングとは間仕切りの家具で仕切っただけのダイニングコーナーであるが、正餐もできるようなダイニングにした。普段は緑の引戸を開け放しておき、キッチンとセミオープンな感じで行き来ができる。テーブルに近い収納家具の右側にはカウンター下にワインセラーを設置、その上はキッチン通しての朝の光と景色を取り込む為、FIXガラスをはめ込んだ。ダイニング家具も全て設計、造作したものだがここでも家具+照明BOXというコンセプトだ。ダイニングテーブルは樹齢60年、この土地に育っていた桜の木を挽いて寄せ木にしてテーブルとした。   変形敷地を活用し、敷地の角に持って来た造作キッチン。
ワークトップのカウンター上の窓からは朝日が差し込み、近隣の緑も目線の位置にあるので都心とは思えない環境である。通常ならレンジ前には壁を作りたい所だが、景色を楽しみながら調理をして欲しいので、防火ガラス仕様の壁とした。他にもこの家ならではの工夫で、シンク下の大抽出しには
生ゴミ処理機+フックに引っ掛けだけのごみ袋3カ所、奥の大型パントリー、その床下の大型冷暗所、シンク向かいの収納カウンター下は同幅の抽き出しテーブルカウンターを格納。
上部収納扉下にはロールペーパー収納などがあり、お暮らしに添ったキッチン計画をしました。
 
   
水廻り棟にある2階の和室。
こじんまりとした広さだが、建て主のこだわりもあり、趣味性の高い和室となった。
ここで使用した木は、天井、お仏壇の箱、棚、地板など、この土地にあった樹齢60年の欅材を数年乾燥させて仕様したものである。しかし、天井板は反りが予測されたので、あらかじめ幅60ミリの細木にして目透かし張りとした。壁は
赤土珪藻土の塗り壁、畳は琉球本畳である。
目でも楽しめるように普段は手前の障子を壁面に全て収納して、リビングからも眺めて楽しむ。
  3階、エレべーターホールを利用して主寝室に入る手前に壁面本棚を造りつけた。
上段は通常の本棚より棚の高さをたっぷり取り、写真集や画集なども納まるよう設計した。中程の高さの低い棚は、取った本の一時置場などとして利用する。本棚の向かいは渡り廊下に続くが少し広い空間があるのでマッサージチェアを置いてあり、そこで読書ができる。
 
   
2階、キッチン前のホールから3階に上がる階段。
階段右横の三角吹き抜けから1階玄関ホールの縦長窓が覗ける。丁度右壁の向こうが往来の激しい道路なので、この家にとって階段やホールは騒音への緩衝地帯となる。住宅の階段も美しくありたいので夜には間接照明を入れて楽しみます。
  最上階にあるご夫妻の寝室には、いろいろな要素が求められた。「寝る所」というだけでなく、書斎として、機能的な収納場所として、リラクゼーションの場所として、部屋の構成の美しさも求められました。

最上階の立地を生かして、この部屋だけは勾配天井とし、正面クローゼットの勾配下からの
間接照明の光を勾配上部に放つようにしました。壁面、天井とも珪藻土の塗り壁をまわし、勾配の最高高さ2900まで珪藻土塗りとしました。リラクゼーションとしては、ベッド自体が「くの字」に可動するドイツ製のベッドを取り入れ、ベッド向かいの本棚+TVボードでTVや音楽を楽しめるにしました。クローゼットはスライドドアーを動かす事により内部をすべて把握できるようパイプハンガー+棚と、Yシャツが一枚づつ約60枚はいるピッチの薄い棚を作り付けました。書斎はベッドとクローゼットの間の空間に書斎デスクを設置し正面に窓がくるように配置してあります。

可動するドイツ製のベッドはヘッドボード無しで購入し、これも土地で育った樹齢60年の桜材でこの寝室の為に制作をしました。
 
   
    水廻り棟、最上階3階にあるパウダールームとジャグジー浴室。
台形の変形敷地の北側突端にあって、部屋の形も変形を余儀なくされたが、高台の敷地条件を最大限生かし、最上階にこの水廻りを配置した。毎朝のパウダールームのカウンター越しに、また
円形ジャグジー浴槽に入ると、左側窓から東京ミッドタウン、正面窓には六本木ヒルズが臨める。夜の入浴で視線が気になる場合は一旦下げておいたブラインドを、ジャグジーに入ってからリモコンでブラインドを上げて夜景が楽しめる。パウダーカウンターの手前パントリーには天井部にジャグジーの機械を吊り下げ、二面の壁には一杯に棚を周し、家族のリネン庫となっている。一部はパウダーカウンター用ののメデイスンBOXとして歯ブラシ等が収納されている。
 
   
水廻り棟、最上階3階にあるシャワーブースとジャグジー浴室。
斜線規制で天井の勾配がかなり低くなったが、浴室としては充分である。低くなった壁面をできるだけ窓の開口として活かし明るいバスルームになっている。
できるだけ光を取り込む為西側壁面の一部を乳白色のガラスブロックをFIXし、アルコーブを利用してシャンプー置場とした。
シャワーブースの左手は1階の池に面して一面窓となっており、採光、通風とも充分で快適なシャワーブースである。シャワーブースは祖母様の入浴介助の為にも大人2名が入れる広さとした。
  3階、祖母室と主寝室の間にあるトイレ。
将来高齢になった場合でも使い易いようにトイレ内部は広くとり、もし車椅子使用となった場合でも、手洗いカウンターがゆったり使用できるように設計しました。
フローリングは
床暖房対応の無垢材でカリン材を使用。
 
   
1階、子世帯の娘さん個室。
南側前面道路に車庫床のレベルを合わせると、敷地北側付近の個室は隣地との高低差では半地下のような部屋となる。西側隣地側の窓もほぼ隣地の地盤近くの低さだが個室側からはベッド上のハイサイド窓となるので、視線の遮蔽や防犯には配慮した。手前にはドライエリアに見立てた「池」が隣の息子さん個室との間にあるので、採光や風はその空間から取り入れる。敷地高低差のある分、他の居室より天井高さがとれたので、クローゼットの収納量は抜群に多い。
  1階、子世帯の息子さん個室。
隣の娘さんの個室より少し小さいが、専用のテラスがある。クロゼットも変形だがウォークインクローゼット+部屋内収納を、多めに作り付けとした。
PC作業が多いので、
マルチメディアコンセントを充実させた。床暖房対応の無垢材フローリングだが、2階、3階と違い若い世代にあわせた栗材のアンテイーク仕上げを張っている。
 
   
1階、子世帯の個室1、個室2の間にある池。
隣地との高低差のおかげで半地下的な個室となった二部屋にとって、この池を通して隣地敷地から入る光や風は貴重なものがある。できるだけ個室床と同レベルで眺めたいので、池は浅めにし玉石を敷き詰めた。夜には水中照明が入り、昼の景色より水の存在が浮き上がる。 水中ポンプを可動させているので、水音が2階の和室まで届き、効果音となる場面もしばしばある。
  水廻り棟と居室棟の間を往来する渡り廊下から見下ろす位置にある1階子世帯の水廻り。
渡り廊下を境に西側には「池」が、東側にはこのパウダールームがある。TOPライトは網入り強化ガラスと乳白アクリルの二重構造になっていて殆ど照明が不要なほど明るい。その光は入り口引戸の上部を開口して廊下側にも差し込む。天井に照明がつかないので、壁々間に、ワイヤー照明、また
間接照明などを用いる。
 
   
2階、キッチン前のエレベーターホールから1階玄関ホールを臨む。
壁の向こうの道路との緩衝地帯として変形敷地に沿った形状のホール、階段室だったが、空間構成としては面白い重なりとなって現れた。やはり、住宅の階段は美しい形であるべきだと、思う。この階段の
間接照明が渡り廊下とカネ折りになった窓からくっきりと見える時があるが、外観からそれが見える時は嬉しい気持ちになる。
階段の寄せ木段板は、2階のカリンフローリング材に色調を合わせて、4〜5色の多色拭き取り塗装仕上げである。
  水廻り棟と居室棟を往来する渡り廊下の間は丁度外壁がスリット状に切れている。
奥に長い敷地の場合、途中の凹み箇所があると、適度に採光、通風がとりやすくなり、いろんな面でメリットが生まれ易くなるようだ。左側、水廻り棟の最上階にある
シャワーブース用の窓だが、真下を見下ろすと1階池の水中照明が見え、窓のジャロジーを解放しながら熱い時期もシャワーが浴びられる。
向かい側の階段状に開口した壁は、3階ユーティリティーから屋上へ上がる為の手摺壁である。W-600程度の細い階段で屋上へ行くのだが、壁が立ち上がっていると往来も楽である。屋上にはウッドデッキが敷き詰めてあり、気軽に上る事ができるので、よく屋上が開かれるようだ。
 
   
東側往来の多い道路から見た東側の外観。
左側が居室棟で渡り廊下を往来して右側の水廻り棟へ行く。2階の和室以外は、1階、2階共北側水廻り棟にバスルーム、シャワーブース、パウダールームが集中しているのでそのようにネーミングをした。中央のウッドデッキ材は、丁度半地下状になった1階パウダールームのTOPライトが往来の道路越しに塀を乗り越えて覗かれないよう配慮した目隠しパネルである。
当初から道路との高低差のあるこの敷地形状では、擁壁の制作が重要なポイントであったが、RCうち放しの建物と擁壁は建築物として一体の外観。というこちら側のコンセプトがあったので外壁と同様のうち放しに見えるよう工夫をした。
     
     
       
       
       
 
  Copyright 2011 菅原律子設計事務所itiS All right reserved